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おしらせ

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ご協力ありがとうございました

「ベランダ1000」プロジェクト 報告書ができました

2016年12月から実施してきました「ベランダ1000」プロジェクトの報告書ができました。第二期については、笹川科学研究助成を受け、調査・分析を行いました。

第一期の取り組みも含め、本プロジェクトの結果をまとめましたので、ご参照ください。

 

報告書のページはこちら

 

「ベランダ1000」調査結果について(ご報告)

〜ご協力ありがとうございました〜

Safe Kids Japanでは、子どもがベランダから転落する事故が相次いでいることを受け、何が問題で、どうすれば転落を予防することができるのか、を探るため、2016年12月から今年3月にかけて、インターネットを通じて、自宅ベランダの写真や、柵の高さ、ベランダの奥行きなどのデータを募集しました。その結果、全国から24件の貴重なデータが寄せられました。ご協力いただいたみなさまにあらためてお礼申し上げます。

今までは、子どもの転落事故が起きても、そのベランダの写真が公表されることは少なく、原因を知ることは困難でした。今回の調査で実際に使われているベランダの写真を見せていただき、柵や踏み台となる物がどこに置かれているのか、柵のデザインにはどのようなものがあるのか、など、さまざまなことを知ることができました。
今回わかったことをまとめましたので、ぜひご参照ください。

また、「ベランダには個人の努力では変えられない要素=危険源が数多く存在する」という事実も、今回あらためてわかったことです。ベランダの奥行きや柵のデザインが危険源になりうるものであったとしても、それをそこに住む人が「変える」ことは大変に難しいという現実があります。今後は、建物を「作る」「売る」「管理する」立場の方たちと一緒に、「高所からの子どもの転落」を防ぐ社会を形成していきたいと考えています。

そのためにはさらなる情報が必要です。本日より「ベランダ1000」プロジェクト 第2期を開始しますので、引き続きみなさまのご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

ベランダの現状

 

ベランダの奥行きが狭く、エアコンの室外機が足掛かりになってしまう。ベランダの奥行きに広いところと狭いところがあり、広いところを有効に使うため、狭いところにエアコンの室外機が設置されている。横型の桟、装飾性の高い柵など、柵のデザインそのものが足掛かりになってしまう。室外機以外にも、ゴミ箱や大型の植木など、足掛かりになるものが置かれている。

 

ここからは、今回実際に送っていただいた写真を見ながら、対策を考えてみます。

※個人が特定されないよう、写真の一部を加工しています。

 

Case1

大変きれいなベランダですね。プランターなどもなく、危険源となるものはなさそうに見えます。
しかし私たちはこのベランダの柵のデザインに注目しました。この柵の高さは130㎝ということですが、床面から70㎝あたりまではコンクリート製で、その上に幅20㎝ほどの水平部分があります。実験によると、4歳児は平均で69㎝の高さを乗り越えることができますので、この70㎝の高さにある水平部分に登り、手すりの上に身を乗り出す、ということも十分考えられます。

また、ベランダの奥に設置された室外機の上に登り、物干し用ポールに手を伸ばして水平部分に、という可能性もあります。

このベランダの柵は変えられませんので、ベランダ自体を危険源と認識し、子どもだけでベランダに出ないような対策を取ることが必要です。

 

Case2

こちらのベランダには問題点がふたつあります。まずひとつは、プランターが多数置かれていることです。特に柵近くに置かれた大型のプランターは足がかりになりますので大変危険です。窓近くに引き寄せる、室内に移す、などの対策が必要です。

もうひとつの問題点は、ベランダの柵のデザインです。左手奥に窓のようにくり抜かれた部分がありますね。よく見ると数㎝へこんでいて、ここに足がかけられるかもしれません。この部分もアクリル板等で覆っておいた方がよいでしょう。

 

Case3

何も置いていないきれいなベランダですが、こちらのベランダでまず懸念されるのは、ベランダの奥行きに広いところと狭いところがある点です。
手前にある室外機と柵との間には十分な間隔がありますが、端部分の柵が斜めになっているため、奥に置いてある室外機と柵との間隔が狭く、手が届く可能性があると考えます。これはベランダの構造の問題ですので、個人が「変えられる」ものはなさそうですが、室外機の上に登れないようにして、室外機そのものの危険性を下げることはできます。

また、収納されている状態の物干し用ポールですが、この状態ですと、ポールそのものが足がかりになる可能性があります。これは、ポールを抜き取って室内に収納する(ちょっと面倒ですが)、という対策を取ることができます。

上記が難しい場合は、やはりベランダに出られないような対策を取ることが必要です。

 

募集は終了しました

[ ベランダ1000issenプロジェクト 募集要項 ]

 

【対象】
ベランダを有する建物にお住まいの、0歳〜10歳のお子さんを育てている方
または、お子さんが遊びに来ることのある方
【活用】
ご投稿いただいた画像および調査内容については、子どもの転落事故の再発予防のため、個人が特定されないよう加工または配慮の上、公開することがあります。
【募集期間】
2017年5月11日~2018年3月31日
【実施】
NPO法人 Safe Kids Japan
調査協力:産業技術総合研究所

この調査の目的は、みなさまが普段お使いのベランダの状態そのままを把握することにより、転落予防につながるヒントを得ることです。撮影のために整備・片付けなどをしていただきますと実際の様子がわからなくなってしまいますので、現状のまま撮影いただきますようお願いいたします。

 

※助成について:この事業は公益財団法人 日本科学協会(笹川科学研究助成)の支援を受けて実施しています。

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